愛犬が腎臓病と診断されたとき、治療と共に大切になるのが「食事療法」になります。
犬の腎不全は、腎臓病が悪化し腎機能の4分の3以上が失われた状態のことを指す病名です。

 

腎不全になると腎臓機能が低下して体内の環境が通常通りにはたらかないため、悪化すると尿毒症などを引き起こし、命にも関わる危険があります。
このページでは、犬の腎不全に対処するための食事療法のポイントをお伝えしたいと思います。

 

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犬の腎不全における食事療法のポイント

 

犬の腎不全には、急性腎不全慢性腎不全の二通りがあるのですが、原因や症状などの違いについては追って説明したいと思います。
ここではまず、犬の腎不全の食事療法において注意しなければいけないポイントを解説していきたいと思います。

 

ポイント1、タンパク質を制限する

 

抗窒素血症や尿毒症を伴いやすい犬の腎不全では、タンパク質を制限する必要があります
腎臓病の犬は、タンパク質を多く摂ってしまうと、腎臓が尿素のろ過作業で負担を受け、病状が悪化するからです。

 

腎臓の負担を減らすため、タンパク質を制限する必要があるのです。
腎不全の犬には、タンパク質量を20%以下に制限することが推奨され、他にも病気に対応したアミノ酸バランスが必要とされます。

 

ポイント2、リンを制限する

 

腎臓病になり腎不全を抱えていた状態の犬は、リンの制限も必要になります。
犬の腎不全では、リンをうまく排出できず、高リン酸血症を生じさせるので、摂取するリンを少なくします。
リンとは、約80%が犬の歯や骨に存在し、遺伝子(DNA)やリボ核酸(RNA)などの成分です。

 

また、ストルバイト尿石の成分でもあり、併発しやすい尿石のリスクを和らげたりする目的でもリンを制限する必要があるのです。
端的に言うと、腎臓への負担軽減並びにストルバイト尿石の形成を抑制するためです。
リンの量は、0.2%〜0.3%程度に制限することが推奨されています。

 

ポイント3、ナトリウムを制限する

 

犬の腎不全では、ナトリウムの制限も必要になります。
健康な状態であれば、摂取したナトリウムは尿と共に排出されますが、腎臓のろ過機能が弱っている状態では、血液中のナトリウム濃度が濃くなるため、高ナトリウム血症を引き起こす可能性が高いからです。

 

ナトリウム量の目安は、0.4%〜0.8%くらいが推奨値になります。

 

 

タンパク質・リン・ナトリウムの3つを制限することで、腎臓への負担を軽減し、症状の悪化を抑えることが可能になります。

 

また、その他にも腎不全の食事療法に取り入れることで、より効果を期待できる対策も報告されているのでピックアップしていきます。

 

その他に注目すべき食事対策をピックアップ

 

犬の腎不全の食事療法のポイントを3つ紹介しましたが、その他で取り入れると効果的なものを3つピックアップします。

 

ピックアップ1、オメガ3脂肪酸

 

一部の植物や魚に含まれる「オメガ3脂肪酸」は、犬の腎不全に有用だとされています。
2011年にカルフォルニア大学で行われたオメガ3脂肪酸の投与試験では、タンパク尿や腎病変の生成が抑制され、脂肪率も低下したそうです。

 

オメガ3脂肪酸の抗酸化作用や抗炎症作用が、腎臓病のダメージを抑制し、血中ろ過をサポートしたと考えられています。

 

ピックアップ2、抗酸化物質の添加

 

犬の腎不全では、酸化によるダメージが散見されるのですが、ビタミンEやビタミンC、ある種のポリフェノール等を配合することで、ダメージ軽減の有効性が認められたそうです。

 

ピックアップ3、水分補給

 

腎臓病で腎不全を抱えた犬は、尿濃度が薄まってしまい排尿(オシッコ)の量が増加します。
このため、いつでも適切な水分補給が出来るように工夫してあげることも大切になります。

 

犬の腎不全の食事療法に適したフード紹介

 

犬の腎不全でのQOL(クオリティオブライフ)には、食事療法が重要な役割を果たすことは間違いありません。
生活の質

 

病院食(処方食)が愛犬の口に合わず、仕方なく手作りしようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、前述してきたような食事のポイントを押さえながら、毎日手作りするのはかなり困難だと言えます。

 

食材選びやレシピの把握、避けるべき成分や摂取量を増やす栄養素など、様々な栄養知識が必要ですし、調理法によって食材の性質も変化したりしますので、愛犬の安全性にも問題が出てきます。

 

ここでは、犬の腎臓病に対処できる、療法食フードをおすすめします。

 

ロイヤルカナン 腎臓サポート ドライ

 

まず、ご紹介するのは、全国の動物病院でも流通している「ロイヤルカナン 腎臓サポート」になります。

 

犬の慢性腎不全のために特別に処方された療法食で、リンの含有量やナトリウムの含有量を腎臓病用にしっかりと制限しています。

 

また、タンパク質や脂肪酸の含有量も適切に調整された、犬の腎不全の食事療法用ドッグフードになります。

 

ロイヤルカナン腎臓サポートの使用原材料と成分値

 

使用原材料と成分値表を見てみましょう。

 

【ロイヤルカナン腎臓サポートの使用原材料】
米、コーンフラワー、動物性油脂、コーングルテン、コーン、加水分解動物性タンパク、ビートパルプ、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、魚油、植物性繊維、大豆油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(L-リジン、DL-メチオニン、タウリン、L-トリプトファン)、ゼオライト、ミネラル類(Cl、K、Na、Ca、Mg、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se、クエン酸カリウム)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、パントテン酸カルシウム、ナイアシン、B6、B1、B2、ビオチン、B12)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル)、保存料(ソルビン酸カリウム)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)

 

原材料の中に保存料や酸化防止剤が少し含まれているのが気になるところですが、海外製品のため安全性と天秤にかけると致し方ない部分です。

 

【ロイヤルカナン腎臓サポートの成分値(100gあたり)】
エネルギー:399 kcal
タンパク質:14.0 %
脂肪:18.1 %
食物繊維:7.5 %
灰分:3.9 %
水分:9.5 %
炭水化物:52.4 %
カルシウム:0.4 %
カリウム:0.60 %
リン:0.20 %
マグネシウム:0.09 %
鉄:11.0 m%
銅:1.50 m%
亜鉛:17.0 m%
ナトリウム:0.35 %
EPA+DHA:471 m%
タウリン:0.19 %
アルギニン:0.58 %
ビタミンE:60.2 m%
ビタミンC:20.1 m%
ビタミンB群:5.80 m%

 

成分値から読み取れるのは、高消化タンパク質量が20%以下、リンの量は0.2%〜0.3%程度、ナトリウム量の目安は0.4%〜0.8%くらいといった、犬の腎不全で制限するべき推奨値は全てクリアされています。

 

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)と複数の抗酸化物質も含まれ、「メタボリックホメオスタシス」という、代謝恒常性をキープするためのクエン酸カリウムも配合されてます。

 

愛犬の腎不全の食事療法に、適したフードをお探しであれば是非検討してみて下さい。

 

ロイヤルカナン腎臓サポートの口コミ

 

実際にロイヤルカナン腎臓サポートを与えている飼主さんの口コミや評判も調べてみましたので参考になれば幸いです。

 

Hさん
うちの子は腎臓病なんですけど、この「ロイヤルカナン腎臓サポート」はよく食べてくれるので安心しています。
調子もいいので今後も継続してあげたいと思っています。

 

Cさん
最初は膀胱炎が発覚したのですが、その後実は腎臓が悪いと判明しました。
いくつかの腎不全向けのフードを試してみたのですが、食い付きが悪かったので「ロイヤルカナンの腎臓サポート」を与えるよ言うになりました。
ニオイに誘われたのか、食い付きもよく今は腎臓サポートに感謝です。
病院で買うと持って帰るのが重いので、家まで配送してくれる通販が重宝してます。

 

Gさん
今年10歳になるヨークシャテリアを飼っていますが、半年前に血尿が出て、膀胱炎を発症しました。
その影響で腎臓が悪くなり、腎不全に良い療法食を探していました。
ロイヤルカナン腎臓サポートのドライフードはあまり食い付きが良くなかったのですが、缶詰のほうは美味しそうに食べてくれています。

 

口コミを見ていくと、全体的な評判は良さそうですね。
口コミにもあったように、病院でも流通しているフードなので安心できます。

 

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犬の腎不全と併発しやすい合併症!


犬の腎不全は腎臓の機能が低下している状態ですが、腎不全と併発しやすいのがクッシング症候群になります。
クッシング症候群は副腎ホルモンの病気ですが、発症原因のひとつに「副腎にできる腫瘍」が挙げられます。

 

また、クッシング症候群が原因で腎不全を併発するケースも多いので頭に入れておいて欲しい疾患のひとつです。
犬のクッシング症候群の詳細については別ページで詳しく解説しています。

 

(詳細ページ:犬のクッシングの食事|原因・症状・治療

 

犬の腎不全という病気について

 

犬の腎不全とは、腎臓機能の4分の3以上がその機能を果たさなくなった状態を言います。
腎臓の機能が低下する病気で、腎臓が硬くなり縮小して臓器内の欠陥が圧迫され血流が悪くなってしまいます。

 

その影響で酸素が脳までしっかりと運ぶことが出来なかったり、水分の吸収率が低下したりします。

 

腎臓の働きや役割について

 

犬の腎臓も人と同じように左右2つ存在する臓器です。
単純に尿を作る器官だというイメージですが、犬が健康に生活するうえで大変重要な役割を果たすのです。

 

老廃物として尿を排出させる役割

 

体の中にある老廃物、そして余分にある水分を尿として排出させることにより、血液を綺麗な状態にするという重要な役割があります。

 

犬の腎臓も人間も同じですが、血液の中にある「不要なもの」と「必要なもの」を振り分け、しっかりと分別作業を行ってくれるわけです。

 

腎臓にはネフロンという尿生成器官があり、糸球体というフィルターを通ることになるのですが、このフィルターを通る際に体に「必要なもの」を回収し、「不要なもの」は尿として体外へ排出させます。

 

良い体内環境を保つ役割

 

体液量(体内の水分量)の調節、必須なミネラル分の吸収、イオンバランスの調整など、犬の腎臓は生命維持に重要な役割も担います。

 

骨を丈夫にしてくれる役割

 

犬の腎臓はカルシウムの吸収をサポートする活性型のビタミンDを生成しています。
カルシウムと言えば骨を丈夫にしてくれる代表格ですが、腎臓で生成される活性型ビタミンが無ければ吸収力が落ちてしまいます。

 

血圧を調整する役割

 

腎臓病を悪化させる原因の一つに高血圧があげられますが、腎臓には水分・塩分の排出量をあげたり下げたりすることで、血圧を正常に調整させる役割もあります。

 

逆に、腎機能が低下すると高血圧になりがちですが、理由はこのためです。

 

赤血球を作る役割

 

これも人と同じですが、犬の腎臓は「エリスロポエチン」というホルモン分泌という役割もあります。
このホルモンは骨の中にある、血液を生成する「骨髄」に作用し、赤血球を生成します。

 

ところが、腎臓の機能が低下すると「エリスロポエチン」の分泌が低下し血液の生成が十分にできなくなってしまうので、貧血を伴い安くなります。

 

 

犬の腎不全の症状について


そのため、出来るだけ早期に病気を見つけ、腎障害の段階で対処することが大切です。
愛犬は家族の一員ですので、健康で元気に長生きして欲しいという思いは皆さん共通ですね。

 

ここでは、愛犬の腎不全を出来るだけ早く発見出来るよう、犬の腎不全や腎臓障害で見られる主な症状をチェックして行きましょう。

 

犬の腎不全の主な症状

 

嘔吐や便秘

 

腎臓の機能が低下することで水分の吸収率が下がり、便秘になります。
便秘が続くと食べたものを吐き戻すなど、嘔吐の症状も伴い安くなります。
嘔吐した場合は便秘が原因かもしれませんが、尿毒症になっている可能性もあります。

 

食欲低下・元気の喪失

 

便秘が続くと食欲が低下し、活動量が減るなどの元気喪失が見られるようになります。

 

多飲・多尿

 

水分の吸収率が下がるので、たくさんの水を飲む、オシッコの量も増えるといった症状が出ます。
軽い脱水症状も現れやすいのですが、水クラスター(水の分子)が小さい、吸収力の良い水を飲ませる方法が有効です。

 

震えや痙攣

 

腎機能が低下すると血液循環が悪くなり、脳まで十分に酸素が行きわたらず、痙攣を起こしやすくなります。

 

急性腎不全と慢性腎不全

 

犬の腎不全には「急性腎不全」と「急性腎腎全」の2パターンがあり、それぞれで対応が異なってきます。
それぞれの症状について解説します。

 

急性腎不全の犬の症状

 

上記で挙げた腎不全の症状が突然激しく現れ進行していきます。

 

元気喪失・低体温・脱水症状など
数日の間に急激に症状が悪化する

 

今までに腎不全になったことが無いのにこのような症状がみられる場合は「急性の腎不全」が疑われます。

 

慢性腎不全の犬の症状

 

慢性腎不全の犬の症状は、数カ月間をかけてゆっくりと進行していきます。
急性心不全の場合は根治の可能性があるのですが、慢性の腎不全ではトラブルを起こした腎機能の改善を見込むことが出来ません。

 

このため、残されている腎機能に負担を軽くしていくような緩和治療が一般的です。

 

腎臓病を抱えている、あるいは病歴がある
腎不全が病態が長く続いてる
多尿、体重減少
毛艶が悪くなる
食欲低下や元気喪失が続いている

 

などです。

 

犬の腎不全の原因について


前述したように、犬の腎不全には「急性」と「慢性」があり、それぞれで原因が異なることもあります。
毎日の食事や市販の粗悪なドッグフードで腎不全になることもあります。
ここでは、なるべく端的に原因について紹介していきます。

 

1、犬が慢性腎不全にかかる原因

 

高齢化による腎臓機能の低下
高タンパクフード・高塩分フードなどの偏った食事
基礎疾患からの合併症として(クッシング症候群・遺伝病・糖尿病・癌・自己免疫疾患など)

 

2、犬が急性腎不全にかかる原因

 

腫瘍や結石が出来る
尿路にダメージを受けた影響
心臓病の影響
細菌などによる感染症の影響
腎臓の損傷
脱水症状から発祥

 

 

まとめ

 

犬の腎不全は、腎障害が進んだ状態であり、腎不全になった愛犬の腎臓は元通りになることはありません。
そのため、日頃からしっかりと見守ってあげることで、少しでも早期に病気を見つけてあげることが重要です。

 

もちろん、食生活や運動、ストレスなどに気を配ることで予防できるならそれが一番です。
しかし、残念ながら病気になった場合には、食生活の見直しが必要です。

 

腎不全を発症した愛犬には、食事療法が非常に重要になりますが、しっかりとポイントを押さえておけば、病気と上手に付き合っていけるのも本当です。
このページでお伝えした、食事療法のポイントがお役に立てば幸いです。

 

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